フランスで開催されている「Concours de Machines」の概要を紹介します。

Concours de Machines
(英訳:MACHINE’S CONTEST)
(邦訳:マシンコンテスト)

手作り自転車の技術を競うイベントとして自転車製作にかかわる方々により構成される
「ASSOCIATION DES ARTISANS DU CYCLE」
(邦訳:自転車職人協会)により
企画・運営されています。

https://www.associationartisansducycle.com/
コンクール参加チームは
主催者から提示される
テーマ・要求仕様に適合した
自転車を製作(手作り)し
参加・出走します。

コンクール評価は着順だけではなく
●アイディア
●製作技術
●重量(軽量化)
●制作ポリシー
●信頼性(評価は走行後に実施)
などを総合的に評価し下されます。

2019年 PBP走行後の車検シーン

CDM2019=PBP2019 スタート地点
提示されるテーマは多様かつ過酷な内容となっています。
2019年大会は、Paris-Brest-Parisに参加し1,200Kmを走破!?でした。
2021年大会はバイクパッキングツアー(自転車にキャンプ用品一式を積載し野山を走破する)となっています。

Concours de Machinesの歴史

現在のConcours de Machinesは、2016年より毎年開催されています(注:2020年はCovid19の影響で中止)。新しいイベントと思われがちですが、実際には初回が1903年に開催され、数回の中断を挟み開催されてきた 100年以上の歴史を持つコンクールです。

Le Cycle誌の表紙 左:1946年 出走前(上)とパルクフェルメで保管中の車両、右:1947年 出走前 車検を受けるJ.Routine

ロードレースに代表される自転車競技がサポートを受け着順のみを競うのに対し、走行中は一切のサポートを受けてはならず ライダー自身で故障等障害に対応し、ゴールまで到達する必要がある上に、車体やパーツの損傷が減点となる為、高い耐久性と信頼性そして軽量化が求められてきました。

また、昼夜を問わず走行する場合もあり、電装品が必須である他、途中で必要となる修理用品・工具・食料・水も参加車両&ライダー自身で携行する必要があり、それらを収納するバッグ類、車両に取り付ける為のキャリア類が必要でした。

Tour de Franceの参加車両のフロントギアがシングル中心だった1930年代には既にフロントダブルが採用されていました。1940年代に入ると、フレーム素材にジュラルミンを採用する車両も現れ、車体重量も10Kg台のものも出現していました。

左:1940年代 Rene Herse、右:1960年代 Goeland

フランスの有名ビルダー達(A.Singer, Goeland, J.Routine, Rene Hese等)は、このイベントに参加し、お互いに切磋琢磨する事で優秀な自転車を製作してきました。日本国内でも人気のある「ランドナー」のスタイルも、このイベントにより形成されたと言って良いでしょう。

Japan Bike TechniqueはConcours de Machinesの精神に敬意を払い、加えて日本特有の環境を考慮したビルダーの競技会として企画しています。